【2019年版】小説個人サイトの作り方・心の準備編

【2019年版】小説個人サイトの作り方・心の準備編

 はじめに一つ質問させてください。とても大切な質問です。

 あなたはどうして個人サイトを作りたいのでしょうか。

 投稿サイトだとたくさんの小説に埋もれてしまって読まれないから?
 それとも、投稿サイトの枠組みを超えて自由に活動がしたいから?

 もし前者が動機であるのなら、個人サイトの運営は本当にオススメしません。今まで以上に読まれない現実に直面し、早晩投稿サイトに出戻ることになるでしょう。

 動機が後者であるのなら、わりとオススメです。目先のアクセス数にとらわれず、自分らしく運営するのが良いんじゃないかと思います。

より多くの人に読まれるための方策

 本題に入る前に「より多くの人に読まれるための方策」に触れようと思います。あくまで私が思う最善手ね。

 それは、本当にありきたりなんですが、SNS+ブログ+投稿サイトというコンボをフル活用することです。SNSで友達の輪を広げ、ブログからは検索エンジンからのアクセスを獲得し、これらを投稿サイトに流す。

 次善はSNS+ブログ+電子書籍(無料配信)ですね。こちらは一冊単位でじっくり楽しむような重めの小説に向く方法です。

 いずれにせよ、個人サイトが食い込む余地はありません。

 ただし、ここで言う「ブログ」の運営は、独自ドメインをとってSEO対策もゴリゴリやっていく本気モードでいかないと意味がないです。もし「お金はかけたくないから無料ブログで済まそ」と思うのであれば、投稿サイト内にエッセイ作品を用意してそれを更新していったほうがいいです。「ブログ」を運用する目的は、あくまで検索流入の獲得。ですから「ブログ」というレッテルに惑わされず、あなたの目的に合ったメディアを慎重に選んでください。

小説サイトを作ったとする、さてどうやって人を呼ぶ?

 前述の構成はあくまでアクセスを最大化するための方策であり、「そうは言っても小説サイトを作りたいんだ!」っていう人もいるでしょうね。でももうちょっとサイト制作以前の話をさせてください。

 サイトを作って小説を公開するということは、多かれ少なかれ「読まれたい」という欲を持っているんじゃないかと思います。もし読まれたいという気持ちが微塵もないのであれば、自分の端末に保存してにやにやしてればいいですからね。

 せっかく作ったサイトにどうやって人を呼ぶか、という問題については以前別の記事でも触れましたが、大きく分けて「SNSなどで友達を作って呼び込む」「検索流入を獲得する」という二つの手段があります。

 SNSで頑張って宣伝するんだ! という場合には、サイト自体はどんなものでも構わないです。検索流入の獲得を目指す場合に比べて構築のハードルはうんと低くなります。最低限、読んでいて不快感のないUIを目指すくらいですかね。

 ただ、SNSでガツガツ宣伝できる人って、投稿サイトでも埋もれないと思うんですよ。

 むしろ個人サイトを作りたい人っていうのは、SNSを使った宣伝が苦手で投稿サイト内での友達作りにも疲れてしまって、さりとてそういうことをやらないと全く読まれないしほんと心折れた、みたいな引きこもりたい人なんじゃないかと思うんです。そうすると、コミュ力的にSNSからの流入は期待できなくて、できれば検索流入に期待したいというのが本音じゃないでしょうか。

 そういうコミュ障同志に、さっそく冷や水を浴びせようと思う。
 小説サーチは死に体になって久しいし、Google先生は「小説ページ(特に長編小説の各ページ)」を「低品質コンテンツ」と見なす傾向があるため、SNSの援護なしには検索流入なんて見込めません。

 残酷だけど、これが現実です。

検索流入を最大化しようとすると、サイトに小説を載せられなくなる矛盾

 Google先生の基本的スタンスは、「読者にとって有益なページ」を検索上位に持ってくる、というものです。有益でないページはなるべく目につかない場所に追いやりたい。そうしないと検索エンジンが使われなくなってしまうので、これはGoogle先生にとっても死活問題です。

 じゃあどこで有益か否かを判断するんでしょうか。

 これには諸説あるみたいですが、検索者が求める情報を的確に提供できているページ、必要な情報があって何度もアクセスするページ、なんなら紹介したくなるくらい面白い情報や有益な情報が詰まっているページ、そういったものが高く評価されるようです。つまり「検索需要のあるページ」の評価が高くなります。

 そこでちょっと考えてみましょう。
 あなたの小説ページには、検索需要がありますか?

 答えはおそらくNOじゃないかと思います。

 実際にこのサイトであった例を一つ上げるとですね、「賑やかしに悪魔を召喚してみた」という短編小説が、「悪魔召喚 やってみた」というキーワードで一時期それなりの順位で表示されていたっぽいんです。ですが「悪魔召喚 やってみた」というキーワードで検索する人って、「実際に悪魔を召喚してみた体験談」的なものを求めてるはずなんですよ。

 そういう目的意識をもって検索した人が、うっかり出てきた短編小説を読むかって話です。惰性で開いてしまったとしても、作り話であることは一目瞭然ですから、「なーんだ小説かよ」と思ってブラウザをすぐに閉じるでしょう?

 そうするとどうなるかっていうと、Google先生は「このページは検索結果でオススメしてもなかなかアクセスされないし、アクセスされたとしてもすぐに離脱されてるし、共有もとくにされていない、つまり低品質なページなのだろう」と判断するわけです。しかもですよ。小説サイトって、そういった検索需要のない「低品質なページ」を大量に作るわけじゃないですか。最終的に「低品質なページを大量に生産しているろくでもないサイト」のレッテルを貼られてしまい、ドメインの評価が下がって、サイト内の他のページの評価にも悪影響を与えてしまうんです。

 検索流入を狙っていくならば、「低品質なページ」を減らして「高品質なページ」を多く揃えたいところなんですが、そうするとサイトに小説を一本も載せられない or Google先生に見つからないように検索避けしなきゃいけないという矛盾した状況に陥ります。

 つまりなんだ。

 スタンドアロンの小説サイトってウェブの世界で「人権」ないのよ。それなのに敢えて運営しようってわけだ。なかなかやばみが深いだろ?

 本当の本当に、投稿サイトから逃げ出したいだけの人は、個人サイトなんかに夢見てないで、大人しく投稿サイトを使い続けたほうがいいです。少なくとも投稿サイトの中でなら、ウェブ小説に「人権」があります。そこは保護された世界なんですよ。

 私はちゃんと警告したからな。

 個人サイトは、投稿サイトのシステムに飽き足らない人が、より大きな自由を求めて手を出すものだと思います。茨の道と知りつつ、それでもやっぱりサイトを作るんだったら、投稿サイトじゃできないあんなことやこんなことをやってみよう! という前向きな気持ちでいたほうがいいです。そうじゃないとたぶん「こんなサイトを運営していて意味があるんだろうか」という悲しい問いで自分自身を苦しめることになります。

(基礎知識編に続く)