宇宙人(仮)-06
- 2019.08.28
- 【連載中】宇宙人(仮)
授業が終わって学校を出ると、市内には依然「第七管区」なる表記が散在していた。 公共交通機関はもとよりタウン誌や、地元ケーブルテレビの移動中継車にも「第一スタ […]
授業が終わって学校を出ると、市内には依然「第七管区」なる表記が散在していた。 公共交通機関はもとよりタウン誌や、地元ケーブルテレビの移動中継車にも「第一スタ […]
パンツ星人(UR)が超上から目線で言う。 「見ただろ」 司は全力で首を振った。黒地にピンクの水玉模様なんて、知らない。見えたけど見てない。自発的に見たわけじ […]
不幸中の幸いというべきか、司の学習能力はそんなに高くはなかった。よく言えば、立ち直りがはやい。 せっかくだから良いところを強調していくスタイルでいこう。 […]
「でも授業がはじまるし!」 「どうせ出る気ないくせに! 今日もさぼって地上絵を描くんでしょ!」 実際そのとおりなので、司も黙ってずるずると引きずられていく。そ […]
白刃がひらめいた。 ガッ―― と、左耳のすぐそばの壁が抉られて、破片が頬にぴちりと当たった。頬に一筋、熱さがともる。破片で浅く皮が裂けたか。 頭を抱えて […]
ルナを叩き起こして身支度をして、朝ごはんを食べて――自分で食事の準備をする必要がなかったのと、料理のクオリティが違うのを除けば、いつもの朝と変わらない――ほん […]
部屋の外の人の気配で目が覚めた。世間は明るくなっていた。 人の気配はひとつではなく、てんでばらばらに群れていて、動きが読めない。 敵はなにを企んでいる―― […]
本当は、司祭(仮)が私を部屋まで案内していく係だったんだと思う。 けれど彼は仕事中にあるまじき動転っぷりで、私を置いてすたすたと行ってしまった。 他の人が […]
それから十分後、私はこの世で最も心臓に悪いお姫様だっこのまま、幌付き特殊ナンバー車両に運び込まれた。 ルナも浮かない顔をしてついてきた。 私は「来ちゃダメ […]
司祭(仮)がくるっとこっちを向いて、すぐに顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。ルナと同じ黒髪だけど、くるっくるの天然パーマ、ほんのり甘さの残る童顔で、あのスマート […]