毎週土曜12:00更新
宇宙人(仮)

私の故郷は宇宙の掃きだめ – 宇宙人(仮)#10

「ゴッペエエエルゲエエエェ……ムフゥン」  宇座市に二棟だけ存在するタワーマンションの最上階、西面総ガラス張りのリビングで、ウサイモンは夕陽に染まる宇座大野川の雄姿に感嘆の唸りをあげた。  ベルベット張りの猫足の椅子にゆったりと座...
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宇宙戦闘民族(笑)の本気 – 宇宙人(仮)#9

 司は頭を抱えて床に伏せた。  パァアン! ――パリンッ  甲高い炸裂音とゴムの焼けるにおい。そして、パラパラと粉塵が舞い降りてくる。辺りから一瞬、音という音、気配という気配が消えた。  司はおそるおそる顔を上げた。天井の一部が黒くく...
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うざうざうざうざ~うっざえも~~ん! うざっ☆ – 宇宙人(仮)#8

 一方通行表示を無視して突っ込んできたパトカーは、勢い余ってスピンしながら急停止した。サイレンの音が止む。  交差点では平常時と変わらず車が行き交っていた。すぐ近くで塔が倒壊しているのに、誰も止まろうとしない。そこには、正常化バイアスにと...
宇宙人(仮)

地球のテクノロジーはすごい – 宇宙人(仮)#7

 物音に驚いて野次馬たちが飛び出してくる。それを圧倒的風圧でなぎ倒し、自転車は宇座大野橋へと滑り込んだ。レンガ造りの大正モダン風。観光名所化を露骨に狙うあざとさもあり、非公式ではあるが「宇座四天王最強の橋」の異名で親しまれていた。宇座市街の...
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もう逃げも隠れもできない – 宇宙人(仮)#6

 放課後、学校を出ると、市内には依然「第七管区」という表記が散在していた。  公共交通機関はもとよりタウン誌や、地元ケーブルテレビの移動中継車にも当たり前のように「第一スタジオ(第七管区)」とか書いてあるせいで、更新世の昔からそれが宇座市...
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もしかして:我々のエージェント? – 宇宙人(仮)#5

 パンツ星人が、殺意の滲む低い声で言った。 「見たな」  司は全力で首を振った。黒地にピンクの水玉模様なんて、知らない。見えたけど見てない。自発的に見たわけじゃない。つまり、見えたのであって見たわけではない! 「そうか。見ていないのな...
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侵略される宇宙との交信の場 – 宇宙人(仮)#4

 不幸中の幸いというべきか、司の学習能力はそんなに高くはなかった。よく言えば、立ち直りがはやい。  せっかくだから良いところを強調していくスタイルでいこう。  脳内設定が宇宙戦闘民族(笑)な星野司さんは、くよくよと過去のショックを引きず...
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奇跡のモブと謎の転校生 – 宇宙人(仮)#3

「おはよう!」  と、真正面から声をかけられてはじめて、二人はモブの存在に気づいた。  あのねが悔しそうに顔をゆがめて司を解放する。人前で白浜町のことを口にするのは危険だ。しかも相手は茂部(もぶ)だ。  あのねが警戒するのも無理はなか...
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第七管区と消えた白浜町 – 宇宙人(仮)#2

「みーたーな、地球人!」  後頭部を強打して霞む視界のなかで、桃色のエキセントリックな――じゃなくて極めて宇宙的な髪形の女子に凄まれた。  なにを見たかって?  それはもちろん、桃色ストライプのアレでしょうね。  それから「教育的指...
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宇宙から最直線軌道で降ってきた女の子 – 宇宙人(仮)#1

 宇宙へのあこがれを拗らせた星野司は、その日も学校の屋上で憂鬱そうに空を見上げていた。  灰色のコンクリートに白いチョークで描き散らされているのは、ナスカの地上絵っぽいなにかだ。空を睨むようなまなざしが、不機嫌を通り越して殺伐としているの...
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